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計算力

【提供】Gerd AltmannによるPixabay コーチング
【提供】Gerd AltmannによるPixabay

『計算力』とは、計算する力のことです。

『計算力』の活躍する場面

計算といえば、四則演算やルート、図形の面積など、学生で学んできたものが思い浮かぶでしょう。
今回ご説明する計算力は《四則演算》だけです。
『足し算』『引き算』『掛け算』『割り算』は、小学生で学ぶため、皆さんもできますよね。

それでは、学校以外で、いつ活躍するでしょうか?

・買い物
・家計帳簿
・商品の在庫確認
・経費/売上
・業務改善

 1つずつご説明します。

買い物

食事、衣類、薬など、子供から大人まで、必要なモノを、お店やインターネットで購入しますよね。
その時に、財布の中を考えず、欲しい商品を全てカゴに詰めこむ人はほとんどいないでしょう。
例えば、スーパーやデパートでカゴに商品を詰める時に、自然と商品の値段を足し算しているはずです。

毎月お金を使い過ぎて困っている人は、『計算力』が弱く、自制心の弱い人です。

家計帳簿

月収を考慮して、毎月の支出、貯金を決めている人が多いと思います。
例えば「手取りは15万円。家賃、光熱費、水道代、スマホの通信料で約9万円。2万円は貯金したいから、食費などは残りの4万円で生活しよう」と考えるでしょう。

4万円に収まらなければ、貯金から捻出することになります。
そして、月の貯金額も超えてしまったら、過去の貯金から捻り出します。

このように、毎月の支出を足し算して、月収や貯金から引き算をしています。
しかし、パチスロやソシャゲなどにハマり、支出を考えずに生きている人もいます。

YouTubeの広告費などで収入を得る目的があれば別ですが、家計を考えずに遊んでいる人は、『計算力』の弱い人です。

商品の在庫確認

お店の商品や倉庫の、在庫確認の仕事があります。
なぜ在庫確認の仕事が大切かというと、在庫管理ができていないと、お客さんは「この店はいつも品揃えが悪いから、これからは別の店に行こう」と考えて、固定客が減ります。
固定客が減ると新規顧客を増やさないといけませんが、新規顧客が増えたところで、固定客と同じく品揃えが悪ければ離れていきます。

『欲しい時に、欲しいモノが手に入る』お店ほど、お客さんが増え、売上も増え、給料も高いお店となります。
そのため、『在庫が少なければ、いくつ仕入れれば良いか』『あまり売れない商品なら、仕入れをいくつ減らすか』を計算することが大切です。

また、在庫切れしないように、たくさん仕入れても、売れない商品は企業の赤字になります。
赤字が増えれば、企業も社員に満足した給料を払えません。
そのため、商品を販売する企業にとっては、在庫管理は必要不可欠な仕事です。

経費/売上

経営者、管理職、営業、経理、広報といった仕事は、常に経費と売上を考えていないと仕事になりません。
例えば、開発費と広告費で1000万円投資して、売上が1万円だったら999万円の赤字になります。
赤字が続けば、銀行や株主の信頼も減り、資金調達が難しくなります。
資金調達ができなくなり、家賃や社員の給料を払えなくなると『倒産』となり、職場が無くなります。

そのため、商品を売るための人件費、開発費、広告費、家賃、光熱費などの『経費』、商品が売れる『売上』を計算しなければいけません。
企業の『経費』と聞くと難しそうですが、計算は四則演算だけです。ルートや微分・積分などの計算はしません。

『計算力』の弱い経営は、倒産する可能性の高い企業です。

業務改善

東京で営業していた頃、大手企業や中小企業に勤める人達とお話しましたが、業務改善のできている企業はほとんどいません。
東京でほとんどないのであれば、他の都道府県も似たようなものではないでしょうか。

なぜ、業務改善のできていない企業が多いと感じたか?
業務改善のできている企業は、Amazonのように『AI』による自動化が進んでいるはずだから。

日本企業は、サービス残業や持ち帰りなどでやりくりしている企業が多いですよね?
つまり、「効率良く、業務改善のできている企業がほとんど無い」という分析結果です。

業務改善に『計算力』がなぜ必要であるか?については、後ほどご説明します。

大人より子供の方が『計算力』が高い

僕は、玩具会社で各地方でイベントしていました。
子供達に『計算力』の必要なカードゲームを教えていた時に、「子供の方が、お父さんお母さんより賢いな」と気付きました。

教えていたカードゲームは、1桁の足し算をして、足し算の結果で競うだけのものです。
子供達はすぐに覚えて、近くにいる子供達に教えて、楽しく遊んでいました。

しかし、子供達のご両親に教えたところ、「難しい~~~!」と混乱する人がたくさんいました。

僕は「なぜだろう?」と考え、子供と大人の違いを分析して、仮説を導きました。

・子供は、学校で国語や算数を勉強している
・大人は、仕事はするけど勉強はしない

つまり、勉強をしない大人は、小学生に『計算力』で劣っている、ということです。
ここまでお読みいただき、「大人は子供より賢い」という考えの方は、その考えは本当に正しいでしょうか?
試しに、玩具屋さんやAmazonで安い将棋セットを購入して、子供と遊んでみましょう。
何回か勝負しているうちに、子供に勝てなくなると、僕は予想しています。

『計算力』の鍛え方

では、どのように『計算力』を鍛えれば良いでしょうか?

・考えて買い物をする
・業務改善を考える
・ボードゲームで遊ぶ

それでは、1つずつご紹介します。

考えて買い物をする

年収に合った、買い物をしましょう。
現在では、国からの補助もあり、キャッシュレス決済でお得に買い物ができます。
ただし、キャッシュレス決済は『クレジット会社からお金を借りている』ため、クレジットカードを利用した金額の管理を徹底しないと、借金で大変な事になる場合もあります。
そのために、買い物する際は「今月はいくら使ったか」を考えて、買い物をすることが大切です。

よく「クレジットカードは使い過ぎちゃうから、現金払いが1番!」と自信満々に言う人がいますが、僕には『私は計算できず、自己管理できない人です!』と翻訳されて聞こえています。

『計算力』を鍛えて、自己管理のできる人になりましょう!

業務改善を考える

業務改善で『計算力』が必要とお伝えしました。
それでは、なぜ必要か?

業務改善の考え方

上の図を見て下さい。
『倉庫に荷物が100個あり、その荷物を外に出す』という仕事があります。
荷物を外に運び出す方法が3つあり、どの手段を選びますか?
人件費は、1人4000円(会社負担の税金、年金を含めて)として、1分で67円の人件費がかかると想定します。

では、左の『1人1個ずつ運ぶ』で選ぶとどうなるか?
図に書いてある通り、往復1分だとすると、100分かかります。
人件費:1人 × 100分 × 67円 = 6700円となります。


次に、真ん中の『バケツリレー』を選ぶとどうなるでしょうか?
熱血上司だと、「気合だっ!! 皆で協力すれば、すぐに終わられる!!」と、この『バケツリレー』を選ぶことが多いのではないでしょうか?
では、片道30秒で、1歩分の距離に1人立つという想定で、人件費を計算してみましょう。

人件費:30人 × 3分 = 30人 × (67円 × 3分) = 6030円 となります。
確かに人を増やせば早く終わりますが、人件費で考えるとあまり効果はありません。

 
最後に、右の『台車を使う』を選ぶとどうなるでしょうか?
人件費:10人 × 1分 = 10人 × (67円 × 1分) = 670円 となります。

いかがでしょうか?
倉庫の荷物を台車で管理する仕組みにできれば、移動する際の人件費は約10分の1になります。
このように、業務改善のやり方を工夫するだけで、経費を大幅に下げる事が可能です。
改善方法を何通りか考え、人件費や作業工数を数字で捉える訓練をしましょう。

ロジカルシンキングを正しく鍛えることによって、合計金額を出さずに、最も効率の良い選択肢を選ぶこともできるようになります。
今回の例だと『いかに最小限の人数で、かつ最短時間で運ぶか』が鍵です。

また、『AI』に関わる仕事では、選択肢を洗い出す能力が必要です。
勉強が苦手で学歴の低い人でも、常に『計算力』を意識して生活していれば、『AI』の仕事に必要な人材になれるということです。

ボードゲームで遊ぶ

最後に、遊びながら『計算力』を鍛える方法です。
ボードゲームとは、将棋やオセロなど2人で遊ぶものが有名ですが、海外では『カタン』や『ドミニオン』といった、多人数で遊ぶゲームが人気です。

わかりやすく、オセロで説明します。
オセロは、コマを置く場所によって、1個ひっくり返せる場所があれば、5個や6個とたくさんのコマをひっくり返せる場所があります。
オセロでは、自分の色が多くなるように計算しなければ勝てません。

海外のボードゲームでは、多人数で持ち点を競い合うものが多いです。
そのため、いかに皆より多くポイントをゲットできるかを、リアルタイムで暗算しなければいけません。

つまり、ボードゲームで遊べば遊ぶほど『計算力』が鍛えられるということです。

日本の企業は『計算力』が低い

経費、売上、作業効率を上げるためには『計算力』が必要であることはご説明しました。
『計算力』の高い経営者、マネージャーが多い企業ほど、効率良く、経費削減し、売上を伸ばし続けることができます。

しかし、ボーナスを含めた年収が下がり、リストラをする企業が増えていますよね。
中小企業だけでなく、大手企業も。

それはなぜか?
世界の企業が日本のマーケットに進出してきたこと、『AI』をはじめとしたテクノロジーを利用できていないからです。

『計算力』の高い企業が多ければ、素早く業務改善して、残業や土日出勤、持ち帰りをしなくても売上を伸ばせるでしょう。
しかし、定時内で、全員の業務が終わる企業はほとんどありません。
(もしあったらご連絡ください。勉強させていただきます)

つまり、業務改善の計算ができず、非効率な作業を『美』とする経営者、管理職が多いため、『計算力』を鍛えないと、今後も世界の企業に、日本のマーケットを奪われるでしょう。

まとめ

皆さんも、今の子供達と同じで、学生の頃は『計算力』がありました。
でも、社会人になると『上司の指示に従って稼ぐ』考えになり、勉強をしなくなり、『計算力』が子供より劣る人も多いです。

「年収が低い」と不満を言う時間があれば、『計算力』を鍛えましょう。
小学生の頃に学んだ事を活かすだけで、社会に必要不可欠な人になり、年収を上げることができます。
経営者は、利益を伸ばすために努力しているので、経費削減のできる人を手放さないでしょう。

僕は、勉強しない大人より、勉強する学生の方が結果を出せるのではないかと考えています。
「転職して年収が下がるのは怖い」と言っている人は、『計算力』の低い方々です。
ご説明した通り、『計算力』の低い人は経費削減に貢献できないため、社会では需要も低いです。

社会で、需要の高い人になるために『計算力』を鍛えましょう!

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