《論語と算盤[角川ソフィア文庫]》(著:渋沢栄一)をご紹介します。
渋沢さんはキリンビールや明治製菓など500以上の会社設立に関わった実業家で、2024年には1万円札の顔になる方です。
AI/IoTなど変化が激しい現代は約100年前と似たような状況なので、凄く参考になる内容でした。
この本は、複数の出版社から販売されております。
今回は《角川ソフィア》のものをご紹介しますが、言葉が古く読みづらい人も多いでしょう。
読書が苦手な方には、漫画版もありますのでそちらをオススメします。
『現実社会において生きることのできる道徳に基づいた商業』をめざした。
渋沢さんの生きていた時代は『道徳なき商業における拝金主義』と『空理空論の道徳論者の商業蔑視』に分かれていて、渋沢さんは商業と道徳を混合できないものかと考えていました。
この本は100年前の内容ですが、現代でも詐欺や高額な粗悪品はあります。
例えば2019年にはかんぽ生命の不正契約問題がありました。
問題点は『営業マンが自分の収入のことを考えて、お客さんを騙した』からです。
相手に対するおもいやりという道徳があれば、このようなことにはなりません。
渋沢さんは道徳のある商業を目指しましたが、100年経った今でも『道徳なき商業における拝金主義』は蔓延しています。
なぜ蔓延しているかというと、人を騙す方がすぐに儲かるから。
確かに嘘をつけば簡単に儲けられます。
「○○すれば簡単に儲かりますよ!」と嘘を言えば、騙されて何十万円もする高額な勉強会やセミナーに参加してしまう人もいるでしょう。
しかし現代では拝金主義の商売は難しくなっています。
それはすぐにSNSで世界中に拡散されるからです。
「この人は嘘つきだ!」とSNSでネガティブな意見が増えれば、段々と信頼されなくなります。
勉強心の強い国ほど国力が発展している。怠惰な国ほど衰弱している。
大人になってから勉強する人はほとんどいません。
「仕事が忙しい」と言う人が多いですが、本当に1分も本を読んだり、ニュースを見る時間は無いのでしょうか?
本書に書かれていますが、孔子も「口ばかりで行動しない人はダメだ」と言っていて、渋沢さんも“怠惰は絶対に良い結果を出さない”と言っています。
頑張って仕事をしている方はたくさんいますが、それはスキルアップではなく、会社から良いように使われているだけではないでしょうか?
時給単価の高い人は、短時間で多くの人に社会貢献をしています。
わかりやすい仕事でいうと、人気ユーチューバーは1ヶ月間で数千万円も稼いでいます。
高収入の人は適当に仕事をせず、常に世の中を俯瞰的かつ客観的に分析し、「似たような歴史はなかったのか?」「どうすれば再生数が伸びるのか?」を日々勉強しています。
怠惰な人は「YouTubeやれば儲かるんやろ」と勉強せずに、すぐに諦めて消えていきます。
YouTubeだけじゃなく、起業/副業でも何でも同じです。
成功するためにはたくさんの失敗が必要で、失敗したらすぐに改善できるように勉強や経験をしないといけません。
現代の日本がGoogleやAmazonのように世界で売れる商品やサービスを出せないのは、社長や社員がテクノロジーについて勉強してないからです。
会社に「俺の若いときは凄かった!俺はもう無理だけど若いお前ならできる!」と言う人はいませんか?
『歳をとったら勉強できない』は怠惰の証です。
そういう人が多い会社は、これから給料が増える可能性は低いので転職活動をしましょう。
親孝行を強いるのは、子供を不幸にする。
子供のときに「大人の言うことをききなさい!」と言われて育った人は多いでしょう。
もちろん横断歩道を歩くときや危ない遊びなど、危険であることを注意するのは大切です。
だけど子供の行動を制限ばかりして、子供の将来を不幸にしていませんか?
良い大学に行くために勉強しなさい!
公務員になりなさい!
育ててあげたんだから、親が老いたら面倒みなさい!
僕はうつ病になって会社を辞めて、社会復帰できない友達や知り合いをたくさん見てきました。
どのような人が心が病んでしまうのか?
それは『やりたいことがわからない人』です。
大人なのにやりたいことがわからない原因は、ずっと指示された通りに動く人生だったからです。
僕も29歳まで、年上の指示通りに動くことが正しいと思っていました。
だけど東京でたくさんの仕事を楽しんでいる人と出会ったり、自己啓発本を読んで「なんで自分はこんなにつまらないんだろう生き方をしているんだろう」と感じました。
高学歴でも大人になってから、うつ病で苦しむ人はたくさんいます。
趣味はゲームだったりロードバイクだったり、高学歴なのに勉強と関係ないことが好きな人ばかりでした。
そして仕事が忙しくて趣味の時間が無くなったり、人間関係に苦しんでうつ病になっていきました。
彼らはプロゲーマーやロードバイク選手を目指す人生だったら、楽しい人生だったかもしれません。
子供が何歳であっても、1人の個性のある人間です。
世界に認められる画家になれるかもしれません。
世界に認められる料理人になれるかもしれません。
世界に認められるプロゲーマーになれるかもしれません。
親が「子供をこんな人間にしたい!」と強い想いがあっても、子供は1人の人間であって、親とは別の人間です。
素晴らしい才能を持っていても、親がその才能を育てないと才能が発揮されないまま苦しい人生を歩みます。
おわりに
お金のために人を騙して、家族や友達を失って後悔している人はたくさんいます。
本当に感謝や尊敬できる人って、『おもいやりのある人』『気遣いのある人』『楽しい人』じゃないですか?
お金に関する悪いニュースは多いです。
お金のために人を殺めたり、自殺に追い込む人もいます。
お金は、人生を操作する道具ではなく、価値に見合った対価を支払うための道具です。
《漫画 バビロン大富豪の教え「お金」と「幸せ」を生み出す5つの法則》という有名な本にも「感謝の気持ちがお金になる」と書かれています。
僕が学生と話して感じたのは、道徳を軽視している先生が多いことです。
道徳が嫌いな子供がいて、理由を聞いたら「いじめの話を聞くのは嫌だから」と言っていました。
最近は学校の先生もいじめや暴行などでニュースになっていて、教育者の道徳も薄れています。
本当にいじめをなくしたいと思うなら、子供の見本になる大人が道徳を正しく知るべきです。
なので僕は、塾生に必ず道徳教育をします。
自分の価値(才能)に見合う収入が得られれば、道徳のない拝金主義の経営者や上司に苦しんでうつ病になる未来を回避できるし、人生が楽しくなります。
そのためには若いうちから、自分だけの才能(個性)を知ることが重要です。
今回ご紹介した『論語と算盤』には、この教育の参考になる情報がたくさんありました。
みなさんもお金に苦しむ人生はやめて、みんなの幸せを喜べる道徳のある人生にしませんか?
僕が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。
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