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AI VS. 教科書が読めない子どもたち(著:新井紀子)|読書感想

AI VS. 教科書が読めない子どもたち オススメの本
AI VS. 教科書が読めない子どもたち

国立情報学研究所教授の新井紀子さんが書かれた《AI VS. 教科書が読めない子どもたち(著:新井紀子)》について読書感想をお話します。

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新井さんは2011年から「ロボットは東大に入れるか」のプロジェクトディレクターを務めていて、人工知能AIに関してはプロです。

その新井さんが、今後AIに仕事を奪われる人がどんな人であるかを分析されています。

例えば、現代のスーパーやユニクロなどではセルフレジが増え、経理の仕事もたくさんのソフトやアプリが出てきて、どんどん仕事はAIロボットに変化しています。

①歴史上、新技術が人間の仕事を奪ってきた

時代によって仕事が変化するのは当たり前

馬車や人力車 ⇒ 自動車やバイク
タイピスト ⇒ ワードやエクセル
銀行の窓口 ⇒ ATM
レジ ⇒ セルフレジ
農業 ⇒ 農機具

ヨーロッパでは、目覚まし時計が発明されていなかったときに、長い竿で窓を叩く目覚ましの仕事がありました。

日本でも、牛乳配達/タイピスト/窓口/受付/経理など、さまざまな仕事でたくさんの人が働いていました。

しかし24時間営業のコンビニやスーパーができたことで牛乳配達を利用する人が減ったり、コンビニにATMができたことで銀行に行く人は減りました。

②AIは完全に人間の代わりにはなれない

AIは完全ではない

AIには、読解力&創造力がない

AIが進化すると人間と近い存在になり、シンギュラリティが起こると噂されています。

シンギュラリティになると、疲れを知らないAIロボットが完全に人間の代わりになり、人間が不要になると言う人もいます。

本書では、「シンギュラリティはこない」とはっきり言っています。

なぜなら、AIには読解力と創造力がないからです。

読解力に関しては、単語を翻訳したり、主語や形容詞を探すことはできますが、「これ」「あれ」が指す言葉や、言葉の言い換えなどはAIにとっては凄く難しいことです。

人間がなんとなく雰囲気でわかることは、AIにはできません。

それは人間が『感覚』や『感情』を数値化できないと、AI開発者はAIに反映することができないからです。

またデータ分析はできても、「よし、このデータを元に新しいことをやってみよう!」と新しいことを考える力(創造力)がありません。

AIは人間が指示した計算や分析はできても、その情報を発展させられないのが弱みです。

③AIは自ら新しいものを生み出せない

AIは新しい商品を作れない

AIは人間のように新しいアイデアを考えれない

AIは論理/確率/統計が得意です。

だけど自分の意思で判断し、決定することができません。

例えば人間なら「タピオカが売れてるな」と思ったら、「うちでもタピオカを使った商品を出そう!」と考える人がいます。

でも、AIは「統計でタピオカが売れています」までわかっても、何をすればいいのかわかりません。

ゼロから新しい商品を生み出すことは人間にできても、AIにはできません。

なぜならAIを作っている人間が、アイデアを数値化できないからです。

④AIに教師データを作る仕事が増える

AI社会が発展すると、新しい仕事も増える

AIを育てるための、教師データ(名称やタグなど)作りの仕事が増える

AIは言葉を理解できないので、人間が「何のデータを使うのか?」「何をすれば良いのか?」をデータで教えないと
なりません。

そのため、AI社会が発達するとAIに教える仕事が増えます

教師データの作成は誰でもできるので、アルバイト/パートの仕事になるでしょう。

だけど教師データを管理したり、改善するためにはプログラミングの基礎知識が必要になります。

なので今のうちに、プログラミングを学ぶことをオススメします。

⑤AIに仕事を代替される人の特徴

AIに仕事が奪われる人の特徴

読解力/創造力が低い人

AIは読解力/創造力が低いので、これらの仕事はAIに置き換えることができません。

だけど新井さんは「8割の人は、AIより読解力が低い」と語っています。

なぜなら、読解力テストをAIと学生に行ってみたところ、AIの読解力はMARCH、関関同立並みでした。

この結果から、「ほとんどの人たちはAIより読解力が低いんじゃないか?」ということがわかりました。

そして、”決められたルールに従って作業する仕事は、どんどんAIに代用されていく”と新井さんは語っています。

AIに仕事を奪われない人になるためには、文脈を正しく理解する読解力と、新しい仕事を生み出す創造力が必要になります。

⑥今の日本の教育は、AIに代替されることを学んでいる

時代に合った教育

読書感想
テクノロジー(プログラミング、スマートグラス、MaaSなど)
動画編集
イラスト
世界経済

など

日本の教育は、暗記&計算ばかりです。

そしてこの暗記&計算は、AIが最も得意とする能力です。

世界中でセルフレジや倉庫管理や経理など、あらゆる仕事がAIロボットに代替されている今、AIの得意分野である暗記&計算を学ぶのは時代遅れの教育だと思います。

ネットの無い昔は、人の知識や本だけが頼りでしたが、現代はスマホやパソコンを使って、誰でも、世界中の最新情報をすぐ調べることができます。

今必要なのは暗記&計算じゃなく、情報収集&クリエイティブ(創造)の力です。

また、最近ではAIに必要な『行列』(数学)が、文部科学省の指導要領から外されました。

これは、国の教育機関がAIを理解してないということです。

国の公共教育だけに頼っていると、これからの時代はAIロボットに泣くことになります。

AI社会で幸せに生活するためには、AIを理解して共存することが大事です。

⑦読解力を伸ばす方法

読解力の鍛え方

【論理的な人が多いコミュニティに入る】
感情論の友達から離れて、論理的な友達を増やす
根性論だけの会社を辞める

新井さんが読解力を伸ばす方法をいろいろ調べたところ、はっきりわからなかったそうです。

だけど大人でも急激に読解力が伸びる人がいて、その例え話が書かれています。

それは、障害児施設で保育士をしていた人で、冤罪事件で逮捕された方のお話です。

逮捕されると、法廷で『論理』という共通言語で戦うことになります。

そのときに弁護士や支援者に助けられて、論理的な力が培われたそうです。

他の例も書かれていて、どちらの人も論理しか通用しない場所に放り込まれて論理的思考(ロジカルシンキング)が鍛えられました

おそらく、論理的に考えないといけない人や仕事と接することで、読解力が伸びる可能性があるのではないかと。

この仮説を読んで、僕自身も同じ状況で論理的思考が身についたことを思い出しました。

僕は29歳までは論理思考が低く、コミュニケーション力のない人間でした。

しかし東京で社長や役員相手に営業することになって、ものごとを常に論理的に考えるようになりました。

なぜなら、東京の社長や役員は論理的な人が多く、少しでも疑われると次から連絡が取れなくなるからです。

なので僕は、論理しか通用しない場所に放り込まれるという方法は正しい解答だと思います。

おわりに

今回は《AI VS. 教科書が読めない子どもたち》の感想についてお話しました。

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僕は大手玩具メーカーで、子供に接するイベントを各地で行っていました。

イベントでは玩具の遊び方を親子に教えていて、子供達はすぐに理解するんですが、親はなかなか理解できない人がたくさんいました。

そのときに「なぜ子供より、大人の方が理解できない人が多いんだろう?」とすごく疑問でした。

この本は、そのときに僕が感じた違和感を解消してくれた本です。

現在、愛知&三重の社長や役員と話すことが多いですが、セルフレジやIoT商品が増えているのに、いまだにテクノロジーを否定する人がたくさんいます。

でもテクノロジーで破産した大手玩具専門店があります。

ネットが普及したことでAmazonなどの通販利用者が増え、大手玩具専門店の《トイザらス》は便利さや価格競争で負けました。

他にもテクノロジーを否定して破産したり、売上が下がり続けている会社はたくさんあるでしょう。

AIに仕事が奪われて困らないためにも、今から読解力&創造力を鍛えて、自分らしい仕事ができるように頑張りましょう。

僕が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。

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