著者のリチャードさんはNASAで宇宙航空の開発に携わったり、ハーバード・ビジネススクールで博士号を取得した海外では有名な方です。
さまざまな会社を改善するためにコンサルの仕事や教育をしています。
多くの会社は悪い戦略で動いてるので「良い戦略を学びましょうよ」と書かれた本が《良い戦略、悪い戦略》です。
起業や副業を考えている方には、成功するために必要な知識&知恵が詰め込まれているこの本をオススメします。
良い戦略とは?
良い戦略というのは、論理的に考えられています。
論理的とは「なぜこのようなことが起きたのか?」をたくさんのデータから分析して、誰もが納得する解決策を考える問題解決能力です。
良い戦略を作れるリーダーは問題解決能力が高いです。
良い戦略には3つの構成があります。
良い戦略を考えるためには、この診断/基本方針/行動を決めることが大事です。
戦略が悪いと世間が求めている商品やサービスを作れず、売上は伸びません。
そういう社長の会社は、給料が安かったり、サビ残が当たり前のブラック企業になります。
また良い戦略には2つの強みがあります。
やみくもに業績目標を掲げず、課題の本質を正しく見極めて、最も効率的&効果的な方針を決めることが大切だと言います。
大規模な組織(会社)の多くは、古い経営手法や既得損益、縦割り組織といった深刻な問題があります。
だけど良い戦略のリーダーは、適切な『診断』『基本方針』『行動』ができます。
戦略が悪ければ成果が出ずに評価されないし、売上の少ない会社で永遠と苦しむ人生になります。
良い戦略の1つ目の価値
リチャードさんは良い戦略で動いている組織は少ないと言います。
良い戦略を例として、iPhoneで有名なAppleの創立者スティーブ・ジョブズ。
Appleは複雑な製品ラインが無駄な経費だったので整理して、直営店のみで販売するというビジネスモデルを設計しました。
成功する会社の社長は、「今の業界で成功するためには何が必要か?」「障害物は何か?」を考えて、自らの強みを理解しています。
良い戦略の2つ目の価値
例え話で紀元前1030年の羊飼いの少年ダビデと巨人兵士ゴリアテの戦いについて書かれています。
羊飼いの少年のダビデが、巨人兵士ゴリアテに勝ったというストーリーです。
内容をざっくり書くと、長年戦いに勝ち続けたゴリアテに対して、羊飼いのダビデは投石で勝ちました。
ダビデは不利な状況にも関わらず、自らの強みに気づき、敵の弱みを発見して、戦いを有利にしました。
この『相手が持っていないもの』と『気づいていないもの』を見抜き、強みをどこに見出しどう活かすかが良い戦略であり、変化の激しい今の時代に必要な力です。
悪い戦略の4つの特徴
①戦略構想を語っているように見えるが内容がなかったり、綺麗な言葉や難解な表現を使って惑わせる
頭の良い人はシンプルに話します。
難しい言葉を並べたり長々と話すリーダーは、「自分は凄い!」と認めてもらいたい欲求で動いています。
そういうリーダーが多い会社は危険なので、転職エージェントに無料相談しましょう。
②見ないふりをしたり、軽度あるいは一時的といった誤った定義をする
戦略とは、困難な課題を乗り越えるためのものです。
世の中には「臭い物に蓋をする」という言葉の通り、予想外のトラブルが起きたとき「これは偶然だからしょうがない」と見て見ぬフリをして、対策しないリーダーは戦略が無い人です。
③困難な問題を乗り越える道筋を示さずに、願望や希望的観測を語っている
需要や市場を分析せずに根性論だけの社長やマネージャーは、リーダーとして能力が低いと言っています。
例えばお弁当屋さんが「毎日続けていれば売上は伸びる!」と言っていても、その土地に住んでいる人が少なかったり、競合のお弁当屋さんがたくさんあればただの理想です。
「どうすれば新規顧客が増えるのか?」「何が売れているのか?」など常に分析&改善するリーダーこそ有能です。
④重大な問題と無関係だったり、実行不可能といった間違った戦略目標を掲げている
悪い戦略は、”目標が多すぎて行動に結びつく方針が少なすぎるか、全くない”と書かれています。
多くの社長は、目標に対して矛盾や実現不可能なことがあっても自信満々に発表します。
例えば「来年は今年の10倍売上を出す!」などの意気込みを入れて話しても、それは目標ではないということです。
ターゲット層が多い土地で出店するとか無料体験で新規顧客を増やすとか、「どうすれば売上が伸びるのか?」の目標が大切です。
なぜ悪い戦略が多いのか
戦略が悪いリーダーは、怠惰だったり、自信過剰な人が多いです。
そしてリチャードさんは、良い戦略を立てられるリーダーは、”重要な課題にフォーカスして、たくさんの課題から選び取る作業をしている”と言っています。
テコ入れ効果
知力やエネルギーや行動の集中によって、戦略の威力を高める効果です。
例え話で”日本人は地域によって好みが異なり、新しいもの好きである。ただし飽きやすい”と書かれていました。
確かに日本のコンビニスイーツやユニクロなど、各メーカーから毎週新しい商品が発売されています。
なので日本で商売をするときは、飽きにくい販売戦略が必要になります。
フォーカス
リチャードさんは、授業で生徒にこのように教えています。
ここで教えているフォーカスとは「適切なターゲットに一点集中する」ということです。
リチャードさんがさまざまな会社と関わった経験上、この目標が乱雑していてフォーカスできていない人が多いと言っています。
優位性
会社でも商品でも、優位性によって価値を上げることができます。
例え話でディズニーの顧客の信頼を失わない基本方針について語られています。
①汚い言葉を使わない
②性的なシーンは使わない
③理不尽な暴力は使わない
海外映画はアダルトな描写が多いですが、ディズニーは性的な描写が無いので、親が安心して子供に見せられる理由がわかります。
「うちの商品は必ずこれは守る」という方針がないと、いつまで経ってもファン(お客さん)が増えません。
本屋さんが野菜や自動車を販売していたら、それが良いモノであってもお店として不安ですよね。
企業とお客さんの信頼関係がブランド価値です。
ダイナミクス
20年前まではインターネットが普及しておらず、テレビや新聞から情報を集める人がほとんどでした。
しかしスマホとタブレットが誕生したことで、小学生も気軽にインターネットを使える時代になりました。
現代は世界中の人たちが、自分の目的に合わせてメディアを選べます。
慣性とエントロピー
慣性:組織が状況の変化に適応できない、あるいは適応しようとしない性質のこと
エントロピー:組織が長く続くと、秩序が緩み、焦点がぼやけてくること
長らく続いてきた企業では製品が無秩序に乱立して値引きが行われ、経営幹部が利益をごっそり懐に入れることが多いです。
あなたの働いている会社の社長&役員は大丈夫でしょうか?
僕はたくさんの社長&役員と出会いましたが、自己中な人もいました。
そういう会社は社長&役員は給料が高くて楽しそうですが、離職率が高かったりします。
離職率が高いと商品/サービスの品質を維持できず、お客さんの信頼も下がっていきます。
こういう会社で働いているなら、転職を考えましょう。
おわりに
僕は東京で3年以上、営業職を経験しました。
社長や役員のお客様が多かったですが、忖度や思い込みで商品やサービスを選ぶ方が多かったです。
有名かつ売上が伸びている大手企業の社長や役員は、世界の情報をキャッチし、先を見据えた良い戦略を考えていました。
社長や個人事業主(ユーチューバー含む)、これから独立を考えている方は、この本を絶対に読んだ方が良いです。
5GによるAI社会では、今までの根性論の経営戦略では多くの会社が倒産するでしょう。
ビジネスで成功したい方は何度も何度もこの本を読んで、良い戦略を吸収してください。
僕が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。
コメント