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経済のことよくわからないまま社会人になった人へ(著:池上彰)|読書感想

経済のことよくわからないまま社会人になった人へ オススメの本
経済のことよくわからないまま社会人になった人へ

「私は経済について正しく理解してます!」と言えない人が多いと思います。

大人になると、『税金』『年金』『保険』を払わなければいけません。

でも、学校の義務教育では詳しく教えてもらえないので、大人になるとなんとなく税金を払っている人が多いでしょう。

今回はジャーナリストの池上彰さんが書いた本《経済のことよくわからないまま社会人になった人へ》で、日本で生きていくために必要な経済についてご紹介します。

『税金』を納めるとは?

税金とは?

消費税
所得税
住民税
法人税
自動車税
酒税
たばこ税
など

2019年10月には、消費税が10%に上がりました(飲食料品、新聞は8%)。

だけどOECD世界の経済協力開発機構)からは、「消費税を20%に上げるべきだ」と勧告を受けています。

消費税が10%でも騒がれている中、「まだ上がるの?」と不安な方は多いと思いますが、今のままだと医療や介護などの社会保障が足りません。

なぜなら、少子高齢化で、働いて税金を払う人が減り、社会保障を受ける人が増えていくからです。

なのでOECDや世界の投資家からみれば、「10%じゃ赤字でしょ?20%にした方が良いよ」とみられています。

税金が日本より高いけど、文句を言わない国がある

デンマークは消費税が高いけど幸せ

日本より消費税が高いデンマークの方が、幸福度が高い

デンマークの消費税は25%です。

そして、税金の負担額は日本が4割で、デンマークはなんと7割です。

だけどデンマークの方々は幸せな暮らしをしています。

なぜ税金の負担額が日本より高いデンマークの方が、幸せに感じる人が多いのでしょうか?

それは、デンマークでは税金の負担が多い分、医療費&幼稚園から大学までの教育費が全額無料など、国民が満足するリターンを得られているからです。

日本は税金が増えるけど、年金が足らない問題/学費が高い/議員の不正利用などで、税金を払っていてもリターンが少ないと感じる人が多いので、不満に感じる人が多いということです。

また、経済について正しい知識を学んでない人が多いのも原因でしょう。

税金を納める人の権利

税金を納める人の権利とは?

選挙権がある

税金は、国に納めるだけのお金なのか?

18歳以上の方には、税金を納める代わりにある権利が与えられています。

それは『選挙』で投票できる権利です。

税金を納める先が不安ならば、税金を正しく扱ってくれる人に投票できます。

投票せずに文句を言っているだけでは、何も変わりません。

「日本で幸せに暮らしたい!」と思うなら、幸せにしてくれそうな人に1票を入れてもいいし、いないなら白紙で投票しましょう。

『年金』とは?

年金とは?

昔の人達が貯めてた年金は、社会保険庁が使い切った
現在受けとっている年金は、現在働いている人の年金を受け取っている

『年金』とは、皆さんの老後のために、国が貯金してくれるものです。

でも銀行のように預けた分だけ、保管され続けているわけではありません。

国が、皆さんの老後を考えて、預かった分より増やして返そうと考えて投資をしています。

だけど昔に年金を管理していた『社会保険庁』が、投資として大規模リゾート施設を全国13ヵ所に建設しましたが、全て経営に失敗して大赤字となりました。

また年金の管理もいい加減で、入力ミスや年金データが消えるなどで約5000万件の年金が管理できてませんでした。

2010年に年金を管理していた社会保険庁は解体され、今では特殊法人『日本年金機構』が赤字を黒字にしようと頑張っています。

年金は1970年までは『積立制度』で、自分が支払った年金を後から受け取るという、貯金するだけの仕組みでした。

しかし1970年代に『賦課制度』に変わり、今働いている人が払っている年金を、高齢者に支給する仕組みになりました。

そのため、現代では「自分が貯蓄した年金が引き出されている」わけではなく、「現在支払われている年金を、高齢者が受け取っている」となります。

現在年金を受け取っている方は、若いときに『積立制度』と学んでいるので、「自分が積み立てた年金を受け取っている」と誤解している方が多いです。

「日本年金機構が年金を上手く増やすことができなければ、年金や税金は増え続ける」と覚えておきましょう。

『投資』とは?

投資

『株』は好きな会社を応援するチケット

『投資』を理解していない人は、ギャンブルだと考える人が多いのではないでしょうか?

『株』や『クラウドファンディング』などの投資は、パチスロや宝くじより健全です。

なぜ『株』や『クラウドファンディング』が健全か?

パチスロ、カジノ、宝くじは、当たればお金が増えるかもしれないですが、外れればお金が減るといった、増えるか減るかのギャンブルです。

「株が暴落した」というニュースを聞くと、株もギャンブルだと考えてしまう人がいますが、暴落したからお金が減るわけではありません。

『株』は『好きな企業を応援するためのチケット』です。

人気ならばチケットは高くなりますし、人気が無ければ安くなります。

「株が暴落した」というのは、企業の将来が不安になった人などが、たくさんの株をお金に換金して、企業が戻ってきた株を買ってもらうために値下げするからです。

なので、株が暴落しても、その企業が売れそうな商品の販売を発表したりするなど将来への期待が高まれば、その企業の株を買う人が増えます。

「株が暴落した」から損をするわけではなく、企業が倒産しない限り、株価が上がる可能性はいくらでもあります。

『株』は『銀行』のようにお金を預けられて、お金の出し入れのタイミングを間違えなければ『売値ー買値』の差額のお金が手に入ります。

また毎年、利子のような『配当金』や『株主優待券』が貰える会社もあります。

例えば、イオンなら持っている株の枚数に応じて3%~7%還元できる『オーナーズカード』が貰えます。

他にも、カタログギフトやクオカードなどが毎年1~2回貰える企業がたくさんあります。

このように株を持っているだけで『配当金 + 特典(株主優待券)』を貰えるお得なメリットがあります。

デメリットとしては、株価が購入時より安い時に換金すると損をします。

また、倒産しそうな企業の安い株を大量購入して、その企業が倒産した後に株が0円の紙切れになることです。

基本的にイオンや化粧品などの大手企業の株であれば、倒産のリスクは大幅に下げられますので、株に詳しく無い人は信用できる大手企業の株を購入しましょう。

倒産しそうなよくわからない企業の株を購入して大儲けしようというギャンブルさえしなければ、借金で追い込まれるなどの自己破産をすることはほぼありません。

おわりに

僕も33年間生きてきて、経済についてよく理解できていませんでした。

でも《経済のことよくわからないまま社会人になった人へ》を読んで、身近な税金/保険/貯金などについてよくわかりました。

学校で学ぶことはあっても、社会人になれば自ら学びにいかないと、必要な知識は増えません。

近年のニュースを見ていても、税金や年金について、理解していない人はたくさんいると思います。

消費税が10%になった後、コンビニでは高齢者から「何でわしも消費税10%なんだ!」と怒られた店員さんもいたそうです。

おそらく『高齢者が優遇されるべき社会』と大きな勘違いしていると思います。

経済してないと、何のために税金/年金/保険を支払っているのかわからず、「税金は国会議員や市議会議員の遊ぶお金に使われている!くそ!」と言う人もいるでしょう。

経済について正しい知識のない人が、会社やTwitterなどで、税金や年金について正しく語ることはできないはずです。

経済がわからない方は、経済について勉強しましょう!

私が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。

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