楽天の社長の三木谷浩史さんが、楽天の設立からの経験をまとめたビジネス本『成功の法則92ヶ条』について読書感想をお話します。
この本には三木谷さんの思想/楽天の実績/実際にあった問題点&業務改善などがまとめられています。
この本を購入した理由は、僕が過去に転職活動をしていて、楽天の人事担当から面接前に読むように言われたからです。
小さな成功で自信を築け
一度立てた目標は必ず達成するという”癖”をつける
僕は社会人になる前、自信の無い自己肯定感の低い人でした。
理由は小学生のときから勉強ができなかったので、学歴が低いことがコンプレックスでした。
学生はときから『勉強ができない=できない人間』と思い込んでいて、ずっとできない人間として働くしかないんだと。
でも社会人になってから「学校の成績が悪くても、仕事では優秀な人が多いんだ」と人生感が変わりました。
サイトに広告を掲載してお小遣いが稼げる!【A8.net】勉強はできなくても カードゲーム/HTML/プログラムができた
中学生のときに学校で『遊戯王TCG』のカードゲームが流行って、ほとんどの男子は学校や塾で遊んでいました。
そして2~3ヵ月経つと、デッキ(対戦に使う40枚のカードの束)をかけて勝負する「アンティルール」という遊び方が流行りました。
アンティルールとは「負けた人は勝った人のデッキを全て渡す」というものです。
負けた人はデッキを盗られるので、この時期から遊戯王で遊ばなくなる人が増えていきました。
僕も何度か「アンティルール」を挑まれましたが、負け知らずでした。
あと僕は勝っても、相手のデッキを奪うことはしませんでした。
それは「自分がやられて嫌なことはやりたくなかったから」です。
当時は絶対に負けられない一心で戦っていて、この時の考え方が今でも《やり抜く力》として活きています。
また高校生のときに無料サーバーをレンタルして、HTMLで日記を書いていました。
他人のホームページのHTMLコードを見ながら見よう見まねでいろいろ試して、自分のホームページをできたときはすごく嬉しかったです。
このホームページを作る作業が楽しかったので、大学は情報工学科でプログラムを学ぶことを専攻しました。
大学ではレポートや実験が大変でしたが、今では良い思い出です。
オンラインゲームでリーダースキルが身に付いた
高校生のときは、オンラインゲームはパソコンしかなかった時代です。(ゲーム機だとドリームキャストがありましたが、時代を先取りしすぎて残念な結果に)
寝る時間以外ずーと、ガンホーさんが運営する《ラグナロクオンライン》のことばかり考えていました。
僕が学生時代に多人数をまとめる『リーダースキル』が身についたのは、ゲーム内に『ギルド』という気の合う仲間が集まる部活のようなものでリーダーをしていたからです。
最初は他の人がリーダーをしているギルドに所属してましたが、リーダーの都合でギルドが無くなりました。
そして僕は「楽しいギルドを作る!」と決めて、友達と2人で何日もダンジョンを歩き回って、15人ぐらい集めて楽しいギルドを作りました。
そのギルドでは「週1回、皆で集まってダンジョンに行く」というギルドメンバーの交流会の主催をしていました。
交流会のために毎週スケジュール調整したり、仲良くなった他ギルドの人も誘ったり、忙しかったけど楽しい日々でした。
だけど気が合う人もいれば、気が合わない人もいます。
無視してもチャットしてくるストーカーや、ネチネチと嫌味を言う人とか。
そういう人に注意したり、注意してもダメな場合はギルドから抜けてもらいました。
このようにメンバーをジャッジするスキルは、仕事でもリーダーに必要なスキルです。
目標を達成できれば、スキル習得になる
勉強や趣味など、常に目標を決めて行動していれば、失敗しても成功しても自信になります。
なんでも2回目のときは、1回目でどういう失敗をしたか経験しているので、必ず良い結果になります。
どんなことでも 『目標を決める⇒結果⇒反省』を繰り返せば自信になるので、常にこの意識を持つことが大切です。
付加価値のないサービスには意味がない
なぜ時計が100万円で売れるか?
三木谷さんは「時計がなぜ100万円で売れるか?」について、“それは100万円に見合う付加価値があるから”と回答しています。
付加価値とは、商品の追加機能だけじゃなくて、『保証サービス』『ブランド』『販売対応』など、お客さんから信頼されることです。
僕は成人祝いにSEICOのソーラーバッテリー式の腕時計を買いましたが、12年経った今でも一度も修理もバッテリー交換もせずに現役で動いています。
このように長持ちするメーカーの商品は信頼できるので、また買いたいと思います。
付加価値があれば、お客さんは値段が高くても安心して購入できますし、信頼によってリピーターや新規顧客が自然と増えます。
『人』にも付加価値が必要
付加価値は商品/サービスだけではなく、『人』にも必要です。
例えば『会いたい人』『会いたくない人』っていませんか?
みなさん同じだと思いますが、会いたくない人に0.1秒とも時間を割きたくないはずです。
仕事も同じで、過去を美化して口だけよく動く上司は、付加価値がない人です。
会社から給料を貰っているなら、常に業務改善をして、会社の売上&ブランド力を上げることが大切です。
時代に合った商品企画やプロモーションができる人は、会社に付加価値がある人です。
僕は10年間サラリーマンをやってきて、付加価値のない人を役職にしている会社に不満がありました。
社長や役員はそれでも良いのかもしれませんが、今後30年~40年働くことになる若者からしたら不安です。
社員全員が経営者意識を持つ
三木谷さんは“サラリーマン根性を捨てて、ビジネスの全体を俯瞰的に見て、経営者意識で仕事してほしい”と考えています。
僕はサラリーマン時代、無責任な人が多いと思っていました。
しかもけっこう年配の人にもいて、そのときは新卒ながら「どういう人事評価をしてるんだろう?」とずっと不思議でした。
じゃあなぜ、そういう人達が昇進できたのでしょうか?
日本は『ゴマをする人』が、出世しやすい社会になっています。
全ての会社ではないですが、商談会/勉強会でいろんな人達と話したり、SNSを見ているとこのような会社が多いと思います。
今後世界でIT化が進むと、ダメなマネージャーが多い会社は倒産するでしょう。
そして、できる人が多い会社は信頼(ブランド力)を伸ばし、社員が笑顔で働く場所にして、お客さんが喜ぶ商品を作り続けていきます。
世の中には、人件費の高い人達が一日中会議をする会社もあります。
そういう会社で働いている人は、転職や副業を考えましょう。
WIN-WIN関係を創造せよ。
三木谷さんは“相反する利益を一致させるのが、ビジネスの根本原理だ”と書いています。
僕が嘘つかない営業を始めてから、『お客さん』『協力会社』『自社』の全員が喜ぶ仕事をするのが大切だと知りました。
売上しか考えていない会社の商品は、商品を売り続けることができません。
なぜなら、品質が悪い/サポートが悪い/隠蔽が原因です。
お客さんは、品質やサポートに不満があれば、次回からは買いません。
品質やサポートを適当に考えている会社は、社長の考え方が変わらない限り、倒産するまで続きます。
こんな会社でいつまで頑張っても給料は増えません。
いつまでも給料が安い会社は、「昔からこうやってきたんだ!」と言う人が多いです。
そういう会社は、社長はいっぱい儲けて幸せですが、働いている人は薄給で辛いだけなので、早急に転職活動しましょう。
世界を情報源にする
三木谷さんは“日本のメディアは出来事を早く報道することばかり注力を注いでいるが、あまり価値を感じない。海外のメディアは論評の質の高さでメディアの優劣をつけている”と考えています。
日本記者の質
昔、プロ野球選手のイチローさんが引退会見で、記者が変な質問をして困っていました。
記者1「野球選手じゃない自分を想像したら、「嫌だ」とおっしゃったと伺いました」
イチロー「僕は嫌だって言わないと思うけどね」
記者2「誇れることって何ですか?」
イチロー「先ほどお話しましたよね?」
この2人の質問は、「イチローさんに興味がないのに質問している」ことが、テレビを見ている人にもわかります。
このように、話を聞いていない記者が作った報道番組&雑誌は、とても信用できるものではありません。
日本だけでなく、世界のニュースを知る
以前に、外国人が日本に来て驚いたまとめニュースを見ました。
僕は外国人の反応を見て、『日本の普通』が『外国人にとって普通ではない』と知って、日本の時代遅れを感じました。
おわりに
楽天が1997年に2人で立ち上げた会社が、22年間で1兆円以上の収益がある会社に成長した理由は、この本に書かれています。
この本を読んで強く印象に残っているのは、「世界の情報収集をしつつ、目標に向けて失敗と改善を素早く行うことが大切」です。
今はユーチューバーなど、少しずつ個人で高収入の人が増えています。
でも日本の学校教育は『指示通りに動くサラリーマンを育てる教育』なので、薄給でも文句を言わずに働き続ける人が多いです。
さらに『副業禁止』『年功序列』『終身雇用』といった、若い人達が一生懸命頑張っても、稼げない考え方が根強く残っています。(副業禁止はコロナの影響によってだいぶと緩和されてます)
これから三木谷さんのように日本の未来を考え、幸せに暮らせる人が増えていってほしいと思います。
僕が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。