『嫌われる勇気』(著:岸見一郎 古賀史健)はアドラー心理学を学んだ『先生』と、自分に自信のない『青年』が対話し、青年がアドラー心理学を学んでいくストーリーです。
心理学と聞くと「お堅い文章なのかな?」と考える方もいらっしゃると思いますが、小説のような文章で読みやすい内容です。
特に自己肯定感の低い青年の感情がもの凄く伝わってくると思います。
それではこの本についてご紹介いたします。
①「お前の顔を気にしているのはお前だけ」
日本では「良い子にしなさい」や「皆が見てるから恥ずかしいことはやめなさい」と言う大人がいます。
そのため、多くの日本人は他人の機嫌を覗いつつ、自己表現できない人に育ってしまいます。
僕も4年前の営業職を経験する前は、他人の機嫌ばかり気にしていました。
「上司の機嫌を取らないと評価を下げられるかもしれない。」
「変なことをして、会社の評判を落としたらクビになるかもしれない。」
営業職で飛び込みやテレアポし始めた頃に「相手は鬱陶しいと思っている」と罪悪感がありましたが、段々と受け入れてくれる人達と出会って『気にしているのは自分だけだった』と気がつきました。
その時に繋がった方々は年齢はさまざまで、退職した後でも一緒にご飯に行くことがあります。
「相手の事を気にしない自己中になれ」というわけじゃなくて、「悪い事をしたかも」と感じたらメールなりLINEなりですぐに謝ると、自分が思っていたより相手は怒ったり恨んだりしていません。
②承認欲求を否定する
『承認欲求』とは「他人に認められたい」と感じる欲求です。
ほとんどの方が承認欲求で動いています。
承認欲求が高いと、悪い会社にサビ残や持ち帰りなど、給料を支払わなくても働いてくれる、便利な人間として扱われます。
そして自分でも気がつかないうちに身体と心がボロボロになり、酷い場合は引きこもりや自殺にまで追い込まれてしまいます。
悪い会社は「使えなくなった社員は捨てて、新しい人間に入れ替えれば良い」と考えているので、サビ残や薄給で得をするのは悪い会社で、損をするのは承認欲求の高い社員です。
今後『終身雇用』『年功序列』『新卒採用』が崩壊すると、正社員雇用も崩壊し、成果型雇用に変化していくと僕は予想しています。
『成果型雇用』になると必要な時だけ能力の高い非正規社員を雇い、仕事を依頼する企業が増えるでしょう。
なので今後は経営者や上司から『認められたいだけの労働者』は必要なくなります。
「相手に認められたい」と考えるのではなく、自分が得意なことで多くの人を幸せにすることが大切です。
③「いま、ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
誰にでも失敗はあります。
今でこそヒカキンさんやトム・クルーズは大人気スターですが、彼らは長い間たくさんの失敗を乗り越えて、今もチャレンジ(失敗&成功)しています。
だけど『今』という『時間の点』を無駄にせず、努力し続けてきたので、今では誰でも知っている大人気スターになりました。
そのため「どうせ頑張ったって」「あの人は頭が良いから」と考えてしまう人は、考え方を改めましょう。
僕も学生の頃は赤点ばかりで、仕事に就けるか不安でした。
社会に出てもルーチンワークが苦手で、上司から怒られる日々で生きていくことがストレスでした。
でも今では個人事業主として自分に合っている仕事を、自由に楽しくやっています。
「仕事が辛いけど、好きなことが無い」と考えている人は、好きなことは本当に無いでしょうか?
海外旅行には行きましたか?釣りをしたことはありますか?世の中にある仕事を全て経験しましたか?
いつまでも他人と比較したり、失敗を怖れていても、幸せにはなれません。
まずは経験したことが無いことを「忙しい」とか「私はできない」とか言い訳せずにやりまくることが大事です。
必ず自分にしかない『個性』を発見できます。
④信用と信頼の違い
そして信頼の逆は疑いであって「信頼を怖れていると誰とも深く仲良くなることはできない」だと。
ほとんどの詐欺や借金は、お金が関わる条件付きの信用です。
なので裏切られると必ずお金を失います。
さらに酷いときは大切な家族や友達も離れてしまいます。
世の中には思いやりのある良い人もいれば、自己中な悪い人もいます。
人間として幸せに生きるためには、信頼できる仲間を増やして、自分も相手を裏切らないことが大切です。
⑤仕事の本質は他者貢献
先生が”他者への『私』を捨てて誰かに尽くすことではなく、『私』の価値を実感するもの”と言うと、青年は「そんなのは偽善だっ!!!」と怒り狂います。
そこで先生は労働は「お金を稼ぐもの」ではなく、「誰かの役に立っている」と実感して、自分の存在価値を受け入れることだと言っています。
世の中は生活費を稼ぐために働くサラリーマンがほとんどですが、たくさん稼いでいる人はサラリーマンではありません。
ヒカキンさんやはじめしゃちょーのような、世界中のファンから信頼される人です。
またLOUIS VUITTONやGUCCIなど、世界中のファンから信頼される会社の商品です。
自分の『信頼』の価値が高ければ高いほどファンは増え、それは自然とお金に変わります。
《漫画 バビロン大富豪の教え「お金」と「幸せ」を生み出す5つの黄金法則》(著:ジョージ・S・クレイソン)でも「お金=感謝の気持ち」と書かれています。
自分だけ儲かるために嘘をついていると、それがバレた時に口伝やSNSなどで広がって多くの信頼を失います。
お金だけのために働くのではなく、未来の自分の価値のために他者貢献が大切です。
おわりに
本に書いてあることが100%正解ではありません。
本から得るモノは「こういう考え方もあるんだな」という知識です。
本を読み始めて感じたことは、『本 = コミュニケーションツール』ってことです。
たくさんの本を読むことによって、初めて会った人とコミュニケーションをとるための話題になります。
例えば「《嫌われる勇気》を読みましたか?」と言えば、読んだことのある人とは内容について話し合うことができ、読んだことのない人には内容を説明して仲良くなることができます。
また多くの成功者はたくさん本を読んでいます。
僕も昔は読書をしていませんでしたが、優秀な経営者や役員と話す時に知識不足で会話についていけないことが多々ありました。
本を読むメリットはあっても、デメリットはありません。
本を読んでいる人は視野を広く、物事を的確に判断できる人が多いです。
良い会社に転職するためには、成功する人と仲良くなるのが一番です。
成功している人と仲良くなりたい人は、1日5分でも本を読む習慣をつけてみてはいかがでしょうか?
僕が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。