世界の真実を語る本《FACTFULNESS》(著:ハンス・ロスリング)についてご紹介します。
ハンス・ロスリングさんはお医者さんです。
各国の首脳や国連関係など、世界中の優秀な人達に講演をしていた有名な方です。
国連のデータやアンケート結果など、たくさんのデータを用いて世界の事実を研究していましたが、残念なことに2017年2月にすい臓ガン亡くなりました。
彼は亡くなる前に「みんなに正しい世界を知ってほしい」と考え、すい臓がんが発覚した後の約1年半、多くの人とこのFACT FULNESSを書きあげました。
世界の真実とは?
この本では「世界中のほとんどの人は10の思い込みを持って生活しているよ」と、データや現地の情報を用いて説明しています。
ハンスさんは“根拠のない恐怖を退治すると、心が穏やかになる”と仰っています。
例えば多くの人が間違っている認識としては「貧困の人はたくさんいて、予防接種を受けられない子供がいっぱいいるんだ!」などです。
FACTFULNESSを読むことによって、自分がどれだけ間違った情報に踊らされているかがわかります。
悪いメディア(ニュース番組やネットニュース)は、お金目的で不安を煽るニュースを作ります。
10の思い込み
思い込みには10の本能があり、それぞれご紹介していきます。
分断本能
【対策】大半の人がどこにいるかを知る
例えば金持ちと貧困の2パターンに分けたがる思い込みがあります。
世の中は2パターンではなく、その間のグループの人がたくさんいます。
少しお金持ちの人もいれば、少しお金が足らない人もいます。
なんでも0点or100点の二極で考えるのではなく、50点や70点などさまざまなグループがあることを認識しましょう。
ネガティブ本能
【対策】悪いニュースに振り回されない
テレビやネットのニュースで「貧困の国が~」とか「今日の感染者は〇〇人!」といったネガティブなニュースが多いです。
これは悪いニュースの方が広まりやすいからです。
芸能人が結婚して幸せに暮らしていたり、子供が産まれたことはあまり大きな話題になりません。
なぜなら良い情報を流しても視聴率が取れないからです。
なのでニュース番組やワイドショーでは、悪い情報を積極的に扱います。
世の中は結婚したり、家族で楽しく遊んだり、良いニュースはたくさんあります。
悪いメディアに洗脳されて不安にならないようにしましょう。
直線本能
【対策】グラフは直線よりS字が多い
世界の人口が増え続けると「食料が足らなくなる!」とか言う人がいますが、これはグラフを一直線で考えてしまう思い込みです。
株も同じで、株価が上がっているときは「この株は上がる!」と良い気持ちになりますが、下がると「下がり続けるかも…」と不安な気持ちになります。
経済的なグラフは、上がったり下がったりするS字グラフがほとんどです。
絶対に上がり続ける株なんてあったら、世界中の人達がお金に困らないはずです。
「S字グラフが普通」と考えましょう。
恐怖本能
【対策】恐怖に感じるニュースは凄く稀な出来事
悪いメディアでは、視聴率を増やすために珍しい事件を取り上げます。
例えばキャンプに行ったら熊に襲われたとか、川遊びしていたら溺れたとか。
そのような恐怖を感じる報道ばかり見ていると、世の中にはたくさんの危険があるように思い込んでしまいます。
でもキャンプや川遊びは、日々世界中でたくさんの人達がしています。
テレビや雑誌で報道される出来事は、日常生活で出会わないできごとが多いです。
自動車事故は1日平均1,600件以上起きていますが、ほとんどニュースになりません。
たくさんの人が自動車を運転してるので、熊に遭遇するよりも自動車事故にあう確率が高いです。
なぜ自動車事故があまり話題にならないかというと、珍しいことじゃないからです。
なので悪いメディアは身近な危険より、珍しい事件をよく起きているように報道して恐怖を煽ります。
情報操作による不安で、ストレスを溜めないようにしましょう。
過大視本能
【対策】数字を比較する
悪いメディアはわざと数字を大きく見せようとします。
例えば「今日は熱中症で10人が病院に運ばれて重傷です!」のニュースを見たとします。
でも日本には1憶人以上の人が住んでいて、たくさんの人が仕事や買い物などで外出しています。
この場合の確率は「10/100,000,000」で、宝くじの2億円が当たる確率が1/10,000,000なので、宝くじが当たるより10倍も珍しいことになります。
さらに悪いメディアは不安を煽る話ばかりし、「外出は危険だ!」と思い込ませて、家でテレビを見る人を増やそうとします。
このように1つの数字だけ見せて恐怖を煽る手法は、テレビ番組でよく利用されています。
1つの数字に踊らされないように気をつけましょう。
パターン化本能
【対策】分類を疑い、自分の間違いを認める
世の中には分類を決めつけたがる人がいます。
若い人が何か失敗したときに「だから若者は…」と言う人がいますが、若者にもいろんな人がいます。
責任感のある人もいれば、責任感のない人もいます。
コミュニケーション力が高い人もいれば、低い人もいます。
このように「若者」や「外国人」などを一括りにして、決めつける考えは止めましょう。
自分の間違いを認めない生活をしていると、同僚やお客さん、また家族や友達が離れていきます。
自分の価値(年収)は、他人からの評価です。
自己満足だけで生きていても、誰も認めてくれません。
宿命本能
【対策】常に古い情報を疑って、新しい情報を取り入れる
SNSやYouTubeを利用せず、チラシ配りや飛び込み営業だけする会社があります。
だけど今では、スマホやニンテンドースイッチの普及によって、SNSやYouTubeを見て商品を購入する人が多いです。
そしてSNSやYouTubeの方が圧倒的に出費が少なく、見てくれる人が多いです。
SNSやYouTubeは無料で使えて、ファンが増えれば増えるほどプロモーション効果が高くなります。
最近ではカリスマユーチューバーのヒカルさんがOWNDAYSとコラボしてメガネを売りました。
すると発売日に1店舗で1,500本以上売れ、ギネス世界1位になりました。
売上は2,500万円以上です。
他にもヒカキンさんが紹介したパソコンや食料品、メンタリストDaiGoさんが紹介した本や健康器具なども、Amazonの売上ランキングでよく見かけます。
このようにSNSやYouTubeの宣伝効果が出ているので、商品を提供する側はSNSやYouTubeを利用するべきです。
だけどSNSやYouTubeを否定して、古い宣伝にしがみついている人が結構います。
古い情報に固執せず、新しい情報を取り入れましょう。
単純化本能
【対策】ひとつの知識は全てに応用できない
例えば自分が転職に成功したとしても、全ての人が同じ方法で成功するわけじゃありません。
転職で絶対に成功する方法なんてあれば、ブラック企業で苦しむ人はいないはずです。
ボーナス直後だとライバル(転職希望者)は多いし、人によって知識や経験が異なります。
仕事/家庭/お金など、さまざまな問題で悩んでいる人がたくさんいますが、その問題を解決する100点満点の回答はありません。
なので「こういう問題があったら、こうすれば完璧!」という思い込みを捨てましょう。
犯人捜し本能
【対策】誰かを責めても何も解決しない
ニュースやTwitterでよくある話ですが、不倫や間違った発言をした人を責める人達がいます。
もし本当に何か自分に影響があったなら、直接本人に話すなり、警察に連絡すればいいだけです。
だけどほとんどの責める人達は、知り合いでもない人のミスを見つけたら責め立てて、ストレス発散します。
これは立派なイジメです。
2020年にプロレスラーの木村花さんが、SNSで不特定多数から誹謗中傷されたことに苦しみ、亡くなりました。
SNSだけじゃなく、会社や学校も同じです。
事件性のない出来事(不倫や間違った発言など)の犯人を叩いても何も解決しません。
それより同じトラブルが起きないように改善することで、イジメで苦しむ人がいなくなります。
もう一度言いますが、事件性のない犯人捜しはイジメです。
誰かをイジメてストレス発散するのはやめましょう。
焦り本能
【対策】焦ったら深呼吸する
テレフォンショッピングやデパートなどで「今だけ!タイムセール!」をよく見かけます。
Amazonでもプライムデーやポイントアップなどのお得なイベントがありますよね。
このときに今まで欲しくなかったモノを「安く買えるから」とついつい買ってしまう人がいます。
これが焦り本能を利用した商売です。
無駄使いをしていると、いつまで経ってもお金に悩む人生から抜け出せません。
なので欲しいけど今すぐ必要ないモノは、メモするなりAmazonの欲しいモノリストに入れておいて、割引セールのときに買いましょう。
そしてセールを見て欲しくなったモノは、おもいっきり深呼吸して頭をリセットしましょう。
焦っているときは冷静な判断ができていません。
テレフォンショッピングやデパートがよくセール販売するのは、この焦ると財布が緩くなる心理学を利用しているからです。
10の思い込みを抑えるとストレスがなくなる
ハンスさんはこれらの10の本能を抑えることができれば、「気持ちは楽になって、ストレスも減るよ」と言っています。
Twitterでは、⑨犯人捜し本能で「政府のせいだ!」「会社が悪い!」など、他人を攻撃する人をよく見かけます。
犯人捜しは自分だけじゃなく、自分の回りにいる人にもストレスが溜まります。
人間には知恵があるので、野生動物のように本能だけで行動しないように注意しましょう。
メディアの情報は非現実的で極端な出来事
ネガティブ本能をもったジャーナリストや活動家が、ネガティブに偏った報道をします。
例えば「アフリカでは汚れた水を飲んでいて、毎年たくさんの子供達が死んでいる!」と熱弁しているジャーナリストもいるでしょう。
アフリカといってもアフリカ全土ではなく、アフリカの一部です。
日本でも治安が良い場所もあれば、治安の悪い場所があります。
テレビや雑誌などのマスメディアは悪い情報をよく流すけど、良い情報はほとんど流しません。
それは視聴率、つまり広告費であるお金が欲しいからです。
決してメディアの情報を100%鵜呑みせずに、正しい情報をネットで調べましょう。
人口は永遠と増え続けない
数十年前に貧困が多かった中国やシンガポールなどでは経済が発展して、豊かな生活をしている人が増えています。
最近では数年以内に中国がGDPでアメリカを抜き、「世界トップになるのでは?」と予想されています。
「豊かに暮らせる人が増えると地球上の食べ物がなくなる!」と考えている人もいるのではないでしょうか。
ハンスさんは人口が永遠と増加することを否定しています。
なぜなら豊かになるほど出生率が下がるからです。
多くの人が子供を作るとき、家計で何人の子供が養えるか?を考えますよね。
なので子供が1~3人に家庭が多いです。
だけど今より豊かじゃなかった昔の日本は、子供をたくさん作っていました。
それは避妊具の性能が低かったり、病気で子供が死んでしまったり、農業の人手が必要だったからです。
現代では避妊具は進化し続けており、世界中で避妊具を手に入れられる人が増えています。
宗教で避妊を禁止しているところもありますが、避妊を容認する宗教も増えています。
「人口が増え続けているから、これからも永遠と増え続ける!」は間違った思い込みです。
おわりに
今回は思い込みのストレスから解放される《FACTFULNESS》をご紹介しました。
ハンスさんはこの本を読んだ後に「私はバカすぎだ…」と思わなくて良いと言っています。
世界でめちゃくちゃ稼いでいる経営者たちも、間違った情報で踊らされていたからです。
だからこそ、ハンスさんは世界中で講演を行っていました。
僕は大学生のときにデータ分析を学び、テレビは根拠やデータの無いものが多く、信用できないと感じるようになりました。
そして当時、『発掘! あるある大事典』という番組で「納豆で痩せる!」と言ったところ、全国で納豆が売り切れるという騒ぎになります。
結果それは嘘だったことがバレ、その番組は打ち切りになりました。
この根拠のないテレビ番組や雑誌にずっとモヤモヤしていましたが、FACTFULNESSを読んでスッキリしました。
みなさんも間違った情報に振り回されず、ストレスのない幸せな人生をすごしましょう!
私が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。
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