今回は齋藤孝さんの本《齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方》についてご紹介します。
孫子とは紀元前722~473年に、呉の王・闔閭(こうりょ)に仕えた『孫武』が書き残した兵法書のことです。
僕は孫子が人の名前だと思っていましたが、この本を読んで初めて書物のことだと知りました。
2000年以上前の戦術書ですが、孫子は今の時代でも愛読している人が多いです。
Microsoft創業者のビル・ゲイツ、ソフトバンク創業者の孫正義さん、野球の監督で研究熱心だった野村克也さんなど、多くの成功者が孫子を読んでいます。
テクノロジーは変化しても、社長や役職などのリーダーに必要な考え方は、2000年経っても変わらないということです。
孫子の兵法の原本は言葉が古いため、めちゃくちゃ賢い人じゃないと理解できません。
だけどこの本は現代の言葉に翻訳してあって、さらに漫画とイラストもたくさんあり、読書が苦手な人でも読みやすくなっています。
①将とは、智、信、仁、勇、厳なり。
ミスがあると部下の責任にしたり、他人のミスには怒るのに自分のミスは「しょうがないよね~」と甘い人は、ダメなリーダーということです。
給料を増やすためにはリーダースキルが必ず必要になるので、『智、信、仁、勇、厳』を常に意識しましょう。
②謹み養いて労することなく、気をあわせ力を積み、兵を運らして計謀し、測る可からざるを為し、之れを往く所母きに投ずれば、死すとも且た北げず。
やりきれる部下を育てるためには、『誰に役立っているのか?』『どれだけ価値があるのか?』を教えてあげることが大切です。
僕も工場の調達部で「明日用意しろ!」という無理な指示に毎日苦しんだり、派遣の営業で派遣する社員がいないのに「売上取ってこい!」と言われたり、無理だろ…と思う状況を何年も経験しました。
そういう困難な状況から逃げずに協力会社にお願いしたり、年上の設計担当にスケジュール管理の教育をしたり、人事に派遣できる社員を増やしてほしいと伝えたり、できる限りのことをやってきました。
すると、何とかできてしまうことがたくさんありました。
仕事で大切なのは、素早く関係者に報連相することです。
やってみてダメだと思ったら、すぐに上司&お客さんに伝えましょう。
③我れ寡くして敵は衆きも、能く寡を以て衆を撃つ者は、則ち吾が与に戦う所の者約なればなり。
営業で例えると「たくさんの人がいる場所で不特定多数の人と名刺交換するよりも、キーマンを絞ってアポイントした方が成功率が高いよ」という意味です。
これは営業だけじゃなくて、商品開発や経営、マネジメントでもとても大切な戦略です。
海外の有名コンサルタントのリチャードさんの本《良い戦略、悪い戦略》にも、一点集中した方が良いと書かれています。
今成長し続けているホワイト企業は、この戦略で経費削減や利益率を大きく改善しています。
例えばマクドナルド。
マクドナルドのメニューはたくさんありますが、味付けやトッピングが異なるだけで、基本であるパンとパティはほとんど同じです。
ハンバーガーの需要が低くても、同じ材料を使っているビッグマックの需要が高ければ、在庫が余って損することはありません。
そして赤字にならないように、価格を少しずつ上げています。
これが、マクドナルドが成功し続ける理由です。
僕も起業してから、「教育はオンライン」と決めて一点集中でやっています。
それは営業をしていたとき、会社の社長に「決裁権のない人と話しても時間の無駄だ!」と怒られて学んだからです。
怒られた後、決裁権のある社長&役員と出会える場所を探すことに集中して成果が出ました。
あれやこれやと手を広げすぎると管理できなくなって、経費(出費)が増え、貯金がすり減っていきます。
なので、一点集中する戦略を必ず覚えておきましょう。
④兵は詐を以て立ち、利を以て動き、分合を以て変を為す者なり。
こちらの本には「日本では多くの社員を会議室に集めて、何時間も会議して意見がまとまらないことは多い」と書いてあります。
つまり、人件費と時間を無駄にしているリーダーが多いってことです。
一方アメリカでは、合理性や効率を重視する働き方なので、少ない人数で10分以内で会議を終わらす会社が多いです。
会社というのは、社長含めた社員全員が協力して、会社の価値を高めていく組織です。
社長だけでは、商品/サービスを生み出すことができません。
会社を成長させるためには、社員という大切な仲間(社員)が必要になります。
だけど、昔の自慢話で部下の作業時間を奪ったり、パワハラ(差別やいじめ)で退職させて、人手不足になる会社が多いです。
会社が成長するためには、リーダーは時代に合った働き方を柔軟に考え、社員の健康や気持ちを考えて、環境や仕組みを作り続けないといけません。
⑤兵には、走る者有り、弛む者有り、陥る者有り、崩るる者有り、乱るる者有り、北ぐる者有り。凡そ此の六者は、天の災いには非ずして、将の過ちなり。
例えば「今年はこの業界は不況だったから、売上が下がってもしょうがないよね」と言っている社長や上司が多い会社は、給料やボーナスが少ないはずです。
不況のときは、自社の強みをよく考えて、時代に合った商品/サービスを作らないといけません。
僕は起業した直後、イベント会社さんと50人以上の子供向けイベントを行う予定でしたが、あのウイルスの影響で全てなくなりました。
もし「今年は運が悪かったよね。来年は頑張ろう。」と言っていたら、今頃は貯金が無くなって泣きながらフリーターをしていたでしょう。
じゃあどうしたかというと、仕事の方針を全てオンラインに切り替えて、ブログ&YouTube&SNSでのプロモーションに集中しました。
これがピンチをチャンスに変える思考です。
昔は、馬車やタイプライターなどの仕事がありましたが、自動車やパソコンが生まれたことによって、馬車やタイプライターの技術の需要は無くなりました。
今後、世界中で5G(ミリ波)が広がって誰でもAIを使えるようになると、『仕事&人生』の価値観に大きな変化が起こるでしょう。
改善意識のないリーダーが多い会社に勤めているなら、すぐに転職活動することをオススメします。
どれだけブラック企業で頑張っても、リーダーが悪いと売上は伸びず、給料も増えません。
転職で、サイトに掲載されていない【非公開求人】を活用する方法とは?おわりに
今回は《齋藤孝が教える「孫子の兵法」の活かし方》 についてご紹介しました。
他にもリーダー教育に必要なことがたくさん書かれているので、ビル・ゲイツや孫正義さんのように成功したい方は、孫子の兵法を学ぶことをオススメします。
僕が他にオススメする本は厳選|すぎの先生のオススメ本にまとめてあります。
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